入金消込とは?作業の流れやよくあるトラブル、業務の効率化を解説

入金消込とは?作業の流れやよくあるトラブル、業務の効率化を解説

経理業務の経験がなければ、「入金消込」という単語を初めて耳にする人も多いでしょう。入金消込とは、相手先から入金があった際に帳簿で行う業務です。企業によっては取引相手ごとに入金日が異なるケースがあるため、取引件数が多ければ多いほど、管理が煩雑となってしまう傾向にあります。正確に対応するには、まず入金消込の仕組みや基礎知識について把握しておくことが大切です。

この記事では、入金消込の作業の流れやよくあるトラブル、課題を解消する方法などをお伝えします。

なお、入金消込を含む請求業務の一連のフローは以下の記事でご紹介しています。請求業務全体の効率化の方法についても解説していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

関連記事:「請求業務とは?業務フローと内容、効率化の方法まで詳しく解説

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入金消込とは

初めに、経理担当者が理解しておきたい入金消込の基礎知識を解説します。入金消込の作業内容や、重要な理由を確認してみましょう。具体的には、商品・サービスの対価の入金情報を通帳記帳やネットバンキングなどで照合し、入金が確認できた案件から順に消込作業を行っていきます。

入金消込とはどんなことをするの?

入金消込とは、取引で提供した商品・サービスの対価として相手先に請求した金銭の支払いが行われたとき、「売掛金」としてのデータを帳簿から消去する作業のことです。 具体的には、商品・サービスの対価の入金情報を通帳記帳やネットバンキングなどで照合し、入金が確認できた案件から順に消込作業を行っていきます。

入金消込が重要な理由

入金消込は企業間の円滑な取引を実現する上で重要な意味合いがあります。万が一、入金消込が正確に行われなかった場合には、入金が完了しているにもかかわらず催促の連絡をしてしまう可能性があるほか、代金の回収が漏れて未払いが発生するリスクがあります。そのため、入金消込は正確に手作業を行わなければなりません。このように二重請求が起こると、会社同士の信用問題にも発展しかねないでしょう。また、請求先から回収予定の代金が入金されない場合、資金不足に陥ってしまうおそれがあるため、細心の注意を払う必要があります。

【入金消込を英語でいうと?】

入金消込を英語で表記すると「payment application」となります。paymentは「支払い」「納入」「弁済」という意味であり、applicationは「応用」「出願」「申し込み」という意味です。

入金消込を行うための勘定科目と仕訳

入金消込は帳簿を使用して行う作業です。取引内容は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つに分類され、それらを更に細かく分岐するために勘定科目を活用します。勘定科目は帳簿上で取引をわかりやすく記録するための総称であり、金銭の流れを明確に表すために必要です。

5つのグループに分岐する主な勘定科目
資産に分類される勘定科目 現金、預金、売掛金、商品、土地、権利、建物
負債に分類される勘定科目 買掛金、長期借入、短期借入り、未払い金、預り金
純資産に分類される勘定科目 資本金、元入金、繰越利益剰余金
収益に分類される勘定科目 売上、受取利息、固定資産売却益
費用に分類される勘定科目 仕入、外注費、支払利息、広告宣伝費

また、勘定科目を借方と貸方に分けることを「仕訳」と呼び、仕訳をすることで金銭の流れを明確に表すことができます。借方と貸方に仕訳けるためには以下のようなルールがあり、取引内容ごとに「増加したか」「減少したか」でどちらに記帳するかが決まります。

借方 貸方
資産 増加 減少
負債 減少 増加
純資産 減少 増加
収益 減少 増加
費用 増加 減少
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入金消込を行うまでの流れ

取引先から発注が来たときや、代金が入金されたときなど、物やサービス、お金が動くときには帳簿の記載が必要です。以下では入金消込を行うまでの流れを解説するので、確認してみましょう。

ステップ1 相手先から商品・サービスを発注された

ここでは、1,000円分の発注が来たケースをご紹介します。相手先から入金予定の1,000円は売上債権となるため、借方に売掛金(資産)として1000円、貸方に売上(収益)として1000円を記載します。

借方 貸方
売掛金(資産) 1,000円 売上(収益) 1,000円

ステップ2 相手先から売上債権の回収を確認した

相手先からステップ1の1,000円の入金を確認した場合、売上債権を消込むために、借方に預金(資産)として1000円、貸方に売掛金(資産)として1000円を記載します。

借方 貸方
預金(資産)  1,000円 売掛金(資産) 1,000円

上記のように、発注とともに発生する売掛金(ステップ1)を、相手先からの入金を確認した上で取り消す作業(ステップ2)、これが入金消込です。

入金消込の作業は一見すると簡単そうに見えるかもしれません。しかし、入金数が多ければ多いほど、売掛金と入金の突き合わせを行う量が増えます。入金確認を行い、複数の入金金額の中から該当する取引を突き合わせる手間がかかるのです。

業種によっては、同じ金額の売掛金と入金が多数存在するケース、売掛金と相違した金額を入金するケース、振込期限を過ぎてから振込が行われるケースなどさまざまな場合があります。経理担当者は、これらの煩雑な売掛金&入金を正確に突き合わせなければならないのです。

入金消込でよくあるトラブルと対処法

続いて、入金消込でよくあるトラブルとその対処法をご紹介します。経理業務ではこんなトラブルに注意しましょう。

差額が発生してしまった

請求書に記載された金額と入金額が異なるケースです。このように差額が発生する原因として、「振込手数料が引かれている」「消費税の処理方法が異なる」といった可能性が考えられます。こうした場合は相手先と連携し、調整する必要があります。このほかに、相手先による振込金額のミスが発生している可能性も考えられるでしょう。万が一、ミスが発覚したら消込先を探して原因を突き止めたうえで、差額の請求や返金などの対応によって修正していきます。

消し込み忘れ

入金消込を担当する経理担当者が、さまざまな原因で消込作業を忘れてしまうケースです。例えば、膨大な件数をまとめて処理している場合、見落としにより数件の漏れが発生してしまうこともあるでしょう。入金消込作業は締め日に作業が集中するため、多忙な経理部門でミスが起きやすい傾向にあります。このようなヒューマンエラーによるミスを防止するには、ダブルチェックの実施が有効だといえます。ただし、担当者の業務負担が増加する点に留意しましょう。

入金が確認できない

期日までに入金が確認できないケースです。請求書に記載された日付以降に入金が確認できない場合は、相手先に入金を催促する連絡を入れなくてはなりません。このとき、相手先で入金が行われていない理由として、以下のような状況が考えられるでしょう。

  • 請求書の紛失
  • 期限の間違い
  • 手元に請求書が届いていない
  • 単に忘れていた
  • 支払能力がない など

状況を確認した後、相手先が入金を行わない理由に応じて対処することになります。ただし、入金を催促する際は、企業間の信用問題に関わることから、常に正確な情報を把握しておくことが必須です。

入金の催促に関して、専用システムの機能を活用した対処法もあります。例えば、電子請求書発行システム「楽楽明細」には、請求書の確認状況がわかる機能、ダウンロードを促す機能などが搭載されています。こうした機能により、請求書を取引先へ確実に確認してもらう環境を整備できます。

「楽楽明細」の機能について、詳しくは以下のページでご紹介しているため、ぜひご覧ください。

電子請求書発行システム「楽楽明細」の機能

担当者がおらず消込作業が進まない

担当社員の不在時に消込作業が進まなくなり、現場が混乱してしまうトラブルです。特定の社員のみが消込作業を担っており業務が属人化すると、こうした事態にもなりかねません。対策として、受注・発注・請求・支払いデータをシステムなどで一元管理して、社内の情報共有を強化する方法が挙げられます。

面倒な入金消込を効率化する方法

入金消込は、経理担当者にとって多くの時間と労力を要する作業の一つです。取引が増えれば増えるほど担当者の負担が増え、結果としてヒューマンエラーにもつながりかねません。ここでは、入金消込を正確かつ効率よく行うポイントを解説します。

注文単位で入金消込を行う

注文単位で入金消込を行う方法です。注文時の明細書や請求書を一括で保管し、相手先から入金があった際に、注文書ナンバーや請求書ナンバーを特定して消込します。この方法は消込の有無を管理しやすいのがメリットです。消込作業をスムーズに行えるだけではなく、入金額と請求額の突き合わせや未入金確認などの請求業務をまとめて行えます。

銀行振込には個別の工夫をする

銀行振込は消込漏れがもっとも起きやすいとされ、取引件数が増えれば増えるほどにそのリスクが高まります。そのため、銀行振込の場合は個別の工夫を取り入れるとよいでしょう。

一般的に銀行振込では、相手先が振込を行った際に入力した振込名義で突き合わせを行います。この方法では、基本的に名義がカタカナ表記となるのが、確認時に見落としがちになってしまう要因の一つです。そのため、銀行振込の場合は相手先ごとに顧客ナンバーや請求書ナンバーを振り分け、振込名義と一緒に入力してもらう方法をおすすめします。

さらに、銀行振込は引き落とし・クレジットカード決済・コンビニ決済とは異なり、相手先が請求された金額を自ら振り込むことになるのが注意点です。入力ミスなどにより請求情報と金額に相違が生じる可能性があるので、1件1件正確に請求金額までチェックしましょう。

リアルタイムで口座を確認できるようにする

入金消込の正確性を高めるためにも、リアルタイムで口座を確認できる状態を整えておくと安心です。入金消込の作業では、いずれかの方法で入金を確認することが必須です。銀行に出向いて通帳を記帳する場合、担当者の移動に時間と労力がかかり、確認までのタイムラグが生じます。業務効率化の観点からも、対策を講じましょう。

例えば、銀行によっては口座にお金が振り込まれるとメールやFAXでお知らせしてくれる便利な機能があります。また、近年ではネットバンキングに対応している銀行が増え、パソコンやスマートフォンからリアルタイムで口座の状況を確認できるようになりました。オンラインで利用できる銀行口座を用意することで入金消込の業務がスムーズになるでしょう。

システムを導入する

入金消込を自動化するために専用のツール・サービス・ソフトなどを導入する方法です。システム化すると導入や運用に一定のコストがかかりますが、長期的に見るとミスの低減や効率化など多くのメリットが期待できます。作業が自動化されると、正確かつスピーディーな入金消込を実現できるでしょう。また、経理担当者のスキルを問わずに業務ができるため、属人化解消や負担軽減にもつながります。

専用システムを導入する方法は、表計算ソフト「Excel」を用いて管理する方法と比べても、効率化や業務負担低減を実現しやすいといえます。「Excel」は汎用性の高いソフトである反面、入金数が増えると動作が重くなり、また複数人で同時編集ができないため情報共有に支障が出やすい点がデメリットです。管理する件数が多い場合は、専用システムの導入をおすすめします。

関連記事:「電子請求書発行システムとは?導入メリットとおすすめのシステム20選

入金消込はシステムの導入でミスの削減&効率化!

ここまでご紹介したように、システム導入で入金消込のミスを削減し、業務効率化を推進できます。そこでおすすめなのが、請求書発行から入金管理までの業務効率化を実現できる電子請求書発行システム「楽楽明細」です。請求書の発行や、入金状況の確認、入金消込業務の課題を解消するなら、ぜひ「楽楽明細」にお任せください。

「楽楽明細」は、帳票をWEB上で発行するシステムです。請求書・納品書・支払明細などのさまざまな帳票に対応しています。帳票データをアップロードするだけで、取引先に応じて「WEB」「メール添付」「郵送」「FAX」のいずれかの方法で書類を自動発行できます。紙の書類を発行する場合と比べると、印刷・三つ折り・封入・発送の作業が不要となり、大幅な業務効率化を実現可能です。

さらに、「楽楽明細」の入金管理オプションを利用すれば、以下のような入金管理業務の課題を解消することができます。

よくある課題①:消込業務を全て目視や手入力で行うため、ミスが発生するリスクが存在する

「楽楽明細」に入金データや請求データをアップロードするだけで、自動で突き合わせが可能です。従来は経理担当者が目視や手入力で行っていた作業を自動化して、人的ミスを減らせます。

よくある課題②:請求リストと入金リストを1件ずつ目視で突き合わせしながら、消込をするのに手間がかかる

「楽楽明細」には、請求・入金データを自動照合する機能が搭載されているので、これまでよりも消込の作業がラクになります。データを照合する際の手間を抑えながら、正確な消込が可能です。

よくある課題③:請求額と入金額のズレが生じた場合の消込ができない

「楽楽明細」の機能では、個別の請求・入金ごとに消込が可能となっています。このほかに、調整金の登録で消込する方法もあり、自社の業務に合わせて柔軟に対応しやすいのが魅力です。

よくある課題④:売上計上日や支払期日などで請求残高を確認するのが面倒

請求データを自動連携する「楽楽明細」の機能により、システム上での請求残高の検索や確認がスムーズになります。効率的なデータ管理により確認作業の負担を軽減できます。

請求書発行や入金管理業務の手間削減をお考えの方はぜひご検討ください。

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正確かつ効率的な入金消込はシステム導入で実現できる!

今回は、入金消込の基礎知識をご紹介しました。入金消込は一見すると単純な作業のように見えますが、事業において重要な意味合いがあり、正確さを要する業務です。件数が多い場合は経理担当者の負担が大きくなるため、正確かつ効率的に進めるためにも、対策を講じるとよいでしょう。専用システムで入金消込を自動化すると、業務効率化を実現できるのがメリットです。また、人的ミスを低減するのに加えて、経理部門の属人化解消や負担軽減といったメリットも期待できます。ぜひ自社の経理業務に適したシステムの導入をご検討ください。

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記事執筆者紹介
株式会社ラクス「楽楽明細」コラム編集部

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