【5分でわかる】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは?ブームの背景や導入メリットなど

【5分でわかる】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは?ブームの背景や導入メリットなど

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは?

RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略語で、「デジタルレイバー」(Digital Labor)」と言われるソフトウェアのロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。

デジタルレイバーについて、その名称から「実際にロボットが存在し、ロボットが業務を遂行するのでは?」と想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、デジタルレイバーはPCやサーバー上に存在する「ソフトウェア(ロボット)」のことを指します。日本語にすると「”仮想”知的労働者」と訳され、実像するものではありません。

RPAの導入は、ロボットを使って業務を自動化するという「取り組み」であり、業務を実際に代行・自動化するデジタルレイバーは「ソフトウェア」ということになります。

RPAで自動化できるホワイトカラーのデスクワーク

営業やオフィス業務がメインの職業はホワイトカラーと言われていますが、RPAはホワイトカラーのデスクワークの自動化に役立てられています。
RPAで自動化できる主な業務は以下の通りです。

  • データ収集
  • 数値のチェック
  • ダイレクトメールの発送
  • 売掛・入金確認
  • 買掛・支払確認
  • 帳簿入力
  • 見積書作成
  • 受注処理
  • 伝票作成
  • 請求書作成
  • 勤怠チェック
  • 資産管理

このように、手順やルールが決まっている単純作業がRPAで自動化できる代表的な業務です。

RPAは3段階のクラスに分類される

先程、手順・ルールが決まっている単純作業がRPAで代替できる代表的な業務とお伝えしました。しかし他にもRPAで自動化できる業務はあり、その自動化レベルは能力に応じて3段階のクラスに分類されます。

クラス①:定型業務の自動化

RPAで自動化できる代表的な業務です。「RPAで自動化できるホワイトカラーのデスクワーク」でもご紹介したように、例えばデータ収集や数値のチェックなど、パターン化した業務を繰り返し行う定型作業が該当します。但し、パターン変更時には、その都度RPA側で設定が必要です。

クラス②:一部非定型業務の自動化

人工知能であるAIと連携し、非定型業務も一部自動化します。情報処理や顧客分析、音声・画像解析を得意とし、大量のデータを取り扱うことが可能です。

クラス③:高度な自律化

クラス2よりも高度な知能を持つAIと連携し、意思決定までを自動化します。顧客データ管理・分析を得意とし、学習能力によってイレギュラー業務対応からルール作りまでを自動的に行います。

▼出典:総務省HP「RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上」より 一部抜粋

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

RPAに関する資格

RPAを使いこなすスキルを評価・証明する資格として「RPA技術者検定」があります。
2010年にNTTアドバンステクノロジが開発した、世界シェアNo.1のRPAツール「WinActor」に、RPA技術者検定も準拠しています。RPA技術者検定が就職活動に有利と考え、RPA資格取得に励む学生も少なくありません。知識や技術を得ることはRPA導入時や実施時にも大いに役立ちます。
資格の保有者が増えることは、RPAの市場規模の拡大にもつながりますので、喜ばしいことだといえるでしょう。

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急速に高まるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入の社会的な背景

2016年頃より日本で注目されるようになったRPA。矢野経済研究所の調査によると2018年度の市場規模(事業者売上高ベース)は2017年度比134.8%の418億円に達すると予測されていました。(2019.2.14現在)2017年の時点で2021年度の予想市場規模は100億円とされていましたが、その予想を遥かに上回りました。僅か1年後の2018年度には前年比134.8%増の418億円を突破し、今後更なる市場規模拡大が予想されています。

▼出典:矢野経済研究所

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2085

▼出典:総務省HP「RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上」)

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

少子化問題と労働者の減少

それでは、どうしてRPA市場は急速に成長したのでしょうか。その理由には、日本独自の社会的背景が関係していると考えられています。

超高齢化社会に突入した日本の高齢者人口(65歳以上)は2018年9月の時点で約3,557万人であり、総人口に占める高齢者人口の割合は28.1%と、過去最高となりました。しかし高齢者人口が増える一方、総人口は継続して減少しています。

主な労働対象となる15歳から65歳未満の人口が減少の一途を辿っている労働者不足の日本で、新たな労働力としてRPAの活躍が期待されています。

総人口と高齢者人口を比較

総人口:1億2642万人(前年度1億2669万人と比較すると27万人の減少)
高齢者人口:3557万人(前年と比較すると44万人の増加)
(2018年9月15日の時点での推計)

▼出典:総務省統計局HP「高齢者の人口」

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1131.html

働き方改革

RPAが求められる理由は労働人口の減少だけではなく、2019年4月に適用開始された厚生労働省の掲げる「働き方改革」も追い風になっていると考えられています。
下記は、働き方改革関連法の一例です。

  • 残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間と設ける(臨時の場合に限り、別途規定あり)
  • 年5日の年次有給休暇の取得を義務化
  • 1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する

労働環境を改善して働き方改革を遂行するためには、労働時間を減らさなければなりません。しかし単純に労働時間を減らしても、今までの仕事の量と質を担保することは出来ません。この状況を打破するために、単純作業はRPAに任せ、空いた時間に他の仕事を人間が行えるようにする、つまり労働生産性をあげることのできる、RPAが注目されるようになりました。

▼出典:厚生労働省 働き方改革特設サイト

https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/index.html

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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入事例と効果

次に、実際のRPA導入事例と効果についてご紹介します。

大手銀行:RPA導入で作業時間300万時間カット!

大手銀行では帳票データを自動化させ、煩雑な事務処理業務を排除することで300万時間の時間をカットすることが可能になりました。現在は全店舗のオペレーションの自動化を目指し、これによる余力を1500人分捻出することを目標としています。

大手カード会社:RPA活用で作業時間を1/4に短縮成功

カード決済システムにおけるログ抽出やデータ加工、分析作業に、多くの時間と人件費を要していました。しかしRPAを導入し、単純作業を自動化することでかなりの作業軽減に繋がり、結果として作業時間や作業人員を1/4に短縮することができました。

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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入メリットとは

次に、RPAを導入した際のメリットをご紹介します。

RPA導入メリット①:業務効率化による生産性の向上

RPAを導入する最大のメリットは、業務効率化による生産性の向上です。今まで手作業で行っていた伝票作成や帳簿入力など定型化できる業務をRPAに代行させることで、人間は、創造性やコミュニケーションを必要とする業務など、「人間にしかできない仕事」に集中することができます。

RPA導入メリット②:稼働時間に制限がない・人件費の削減につながる

RPAはソフトウェアでコントロールされている仮想ロボットのため365日24時間稼働することが可能です。
今まで複数の人員を要し一定の時間がかかっていた日々の定型業務をRPAが代わりに実施することで、業務処理能力やスピードが向上し、作業工数、人件費、残業代のコスト削減に繋がります。

RPA導入メリット③:ヒューマンエラーを防止できる

長時間のデータ入力や細かい工程を必要とする作業は、集中力も欠けやすくヒューマンエラーが起こりやすい傾向にあります。RPAは決められた手順・ルールに基づいて作業を正確に行うため、人間がついしてしまうような「うっかりミス」を起こさず、業務の質が向上します。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入する際の注意点

次に、RPA導入時の注意点をご紹介します。

RPA導入の注意点①:RPAツールの選定

近年、急速に成長を遂げたRPAは様々なツールが誕生しています。
導入に向けた流れとして理想なのは、「全業務」に対してRPAの適合検証を行い、その後自社の必要項目に適したRPAツールを選定する、ということですが、時間等のコストを先行して考え「ツール選定」をいきなり始めざるを得ない場合もあるかと思います。

現時点ではRPAツールを取り扱う企業は、まだ十分な情報を開示していない場合も多く、資料や情報を集めることは容易ではありません。「必要だと考える機能」をリスト化した上でその機能とマッチングするツールを検証し、その中から選定しましょう。

RPA導入の注意点②:RPA導入は「小さくはじめて大きく育てる」

せっかくRPAを導入するのであれば「大きな業務を自動化させたい」など、あれもこれもと考えがちです。しかし、まずは小さい規模の定型作業を行う経理や営業事務といった部署から、RPAによる自動化を検討しましょう。

RPA導入の注意点③:RPAツールの費用

RPAツールを導入するには、初期費用やランニング費用が必要となります。他のシステムに比べてRPAツールの価格は抑えられているとは言われていますが、設備投資金額は「3年未満で回収できること」が重要とされています。初期費用の有無はもちろんのこと、ランニング費用の支払いは月額払いか、サブスクリプション方式が利用できるのかなど、費用についても考慮しましょう。

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まとめ

今回はRPAについてご紹介しました。労働人口の減少や働き方改革によって求められる、労働者の生産性の向上と、それに対する解決策として注目されているRPA。しかしRPAをただ導入したからと言って、自動化が進むわけではありません。まずは効率化が出来る業務を見極め、定型業務をソフトウェア型の仮想ロボットに任せていきましょう。徐々に自動化の範囲を広げ、人の手を空けていくことで、人件費削減や経費削減へと繋がっていきます。
今後更なる拡大が予想されるRPAを、事業発展へ大いに役立ててください!

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